6月1日土曜日、阿蘇カルデラマラソン100kmの部に参加しました。
3年連続、3回目の参加です。
今年は受付開始後まもなくで定員に達したということで、エントリーに漏れた友人たちの分まで精一杯走ろうと決意しての参加です。
加えて、例年より練習量を増やし、体重も絞り、調子もいいので、「あわよくば10時間以内で完走する」ことを胸に秘めていました。
ところが、氣合いが十分過ぎるのか、前日ほとんど眠ることができず、夜中1時、寝るのをあきらめ自宅を出発しました。
「寝なくても走れる!」と切り替えて、スタート地点に向かうバスの中でも、パスタや果物、特製トースト(玄米パン2枚の間にピーナツバターとチョコクリームを塗りたくり、バナナを挟んだもの)などを食べまくってカロリーをため込みます。
昨年の大会で、すごく力になったスペシャルドリンク(100%パッションフルーツ果汁をπウォーター(超水)で薄めたもの)を40kmと80kmに預けて、いよいよスタートです。
100kmを10時間で完走するためには、正直、前半でできるだけ貯金が欲しいところです。
50kmを4時間40分、80kmで7時間50分で通過してその後は粘る、というのがアバウトな作戦でした。
ところが、スタート時曇りだった天気が、徐々に小雨になり、そして本降りになってきました。
こんなに寒い阿蘇は始めてで、寒さで体力が奪われていきます。
急激な坂を登り終わった30km過ぎ、早くも体調が悪くなりました。寒さのためか、胃が痛み、吐き氣が続くのです。
「いつか復活するのを待とう。復調しなければ51kmの波野村エイドで仮眠しよう。」と、ロキソニンと補給食を流し込んで10kmほど進むと、ようやく復調してきました。ウルトラは一度つぶれても復活するのが面白いところです。
40kmくらいから再び調子が良くなり、42.5kmを3時間55分で通過。「サブフォーだ♪」などと一人で喜んで進みます。
50km通過。4時間36分。計画通り24分の貯金ができました。
波野村のエイドに到着。周りのランナーは、ほとんど休まずリスタートしていきます。
自分は雨でぐしょぐしょになったウェアを着替え、おにぎりやそばをできるだけ詰め込んで、10分のロスでリスタートします。
降りしきる雨の中、沿道から応援をいただき、エイドや誘導のボランティアさんから励ましの言葉をいただいて走ります。
誘導の方は一日中雨に打たれて、寒くて大変のはずですが、ランナー一人一人に声をかけてくれて、ありがたい限りです。
「こちらこそ寒い中ありがとうございます」とお礼を言って、淡々と進みます。
例年のことですが、60km過ぎから足が徐々に動かなくなり、登り坂を歩くことが多くなりました。
毎年楽しみにしている65kmの産山村のコーンスープを2杯いただきましたが、それでも復調しません。
70kmからの長い登り坂もほとんど全部歩いてしまい、どんどんタイムロスしていきます。
80km手前。登り坂をとぼとぼ歩いていたら一人のランナーに追い越されました。
その時「私、ウルトラ初めて走るんですけど、この先もずっと登りですか?」と尋ねられました。
「とんでもない。88kmからはずっと下りだから登りはもう少し、だから頑張って走りなさい。」と返事をすると、そのランナーはさわやかに走り去られました。
この時、「他のランナーには偉そうな事を言って、自分は歩いてていいのか?」とフッと我に返り、「100%出し切らなければ!」と心を新たにすることができました。
80km通過。8時間5分。何とか氣力をふりしぼり走りますが、さらに登り坂が続きます。
85km通過。8時間37分。「サブ10はダメかな?10時間10分くらいの平凡なタイムか。。」と思ったその時、今度はエントリーに漏れた友人が沿道に立っていて、大声で名前を呼んでくれました。
「そうだった。走りたくても走れなかった人のためにも、全力で走るんだ。」
ここから2度目の復活が起きました。
「もう壊れてもいい、2度と走れなくなってもいいから今日全てを出し切りたい!」と思いスピードを上げます。
90km通過、9時間3分。
周りのランナー全員がサブ10を目指して必死です。
95km、9時間31分。
もしかしたら、もしかしたら、残り5km全力を出し尽くしたら、いけるかもしれない!
残り1kmの表示。9時間53分。
この時、ようやくサブ10を確信しました。
走っている間、ずっと応援してくれた人達のエネルギーを感じ、たくさんのボランティアの人達のサポートのありがたさを感じ、一緒に励ましあったたくさんのランナーとのつながりを感じ、感謝と愛と笑顔でゴールに飛び込みました。
9時間58分11秒。
今できる自分の100%でした。
嬉しかったのは、中盤からずっと励ましあったランナーもその1分後に感動のゴール。
男二人、抱き合って「やったー!!」と叫びました。
それから2時間くらい、沿道で応援をさせていただき、大雨の中ゴールに向かうお一人お一人に「お帰りなさい。」「よく頑張ったね。」と声をかけさせていただきました。
そのうち2年前に時間制限でリタイアした知り合いの方も、完走めざして一緒に練習した友人も笑顔でゴールに戻ってきました。
大会に関わった全ての皆様、本当にありがとうございました。
ウルトラは人と人が温かい愛でつながり、出逢うドラマ、人生そのものだと感じます。
フルマラソンでは味わえない感動に、走る度に魂が震えます。
来年もまたこの場所に帰ってきます。
阿蘇、最高です♪
丈夫な体に産んでくれた両親、神様、本当にありがとうございます。
上:読むだけではなく書くことで最大の学びが得られる素敵な本。今回の結果はこの本のおかげです。付属のCDの映像がまた素晴らしい♪