10月19日、高知県の四万十市で行われた四万十川ウルトラマラソンに参加しました。100kmマラソンは初めて走ります。サロマ湖ウルトラマラソンと並ぶ日本の2大100kmレースを走らせていただくことになり、嬉しさで一杯です。
定員1500人に対し2300人の応募があったそうで、走ることができなかった800人のためにも楽しんで完走したいと思います。
レースの前日は四万十川を舟に乗って見学したり、憧れの天然ウナギ(これまで食べていたウナギとは一体何だったのか?)をいただいたり…生きててよかった♪なんてまったりと過ごしました。
上:まさに日本の原風景、四万十川を舟で眺める
さて、ウルトラマラソンって何時間くらい走るのでしょう?実は私も分かっていませんでした。
スタートが朝5時半で、制限時間は14時間とのことなので、夜7時30分までにゴールをすればいいということになります。
なにせ初めてですので、フルマラソンが長くなった感じかな?と思って、1km7分+エイドでのお休み20分と考え、11時間30分くらいでゴールかな?と思っていたのですが…
3時起床。4時宿舎出発。ありえないスケジュールです。
スタート地点のボランティアの方々はきっと徹夜でしょう。
5時半スタート。まだ真っ暗です。コースは林道で、もちろん街灯などありません。ところが、道に沿って何千個もキャンドルが灯されており、さらに100mくらいの間隔で松明が焚かれています。この灯りを頼りに走るわけですが、これだけの数のキャンドルを用意するのは大変な作業だったでしょう。キャンドルの幻想的な灯りに感動していると間もなく、コースは急激な登りに入りました。
上りの後には急激な下りです。下り終えた30km過ぎからすでに、足首に、膝に、太ももに、痛みが走ります。
痛みをこらえて42km通過。あと58km…今回ばかりは真剣にリタイアを考えました。
しかしながら、「これだけ見ず知らずの人が何時間も立ちっぱなしで応援してくれている。」と思い、「何が何でも完走しよう!」と思いなおしました。
上:有名な沈下橋を走って渡る。約70km付近。ボランティアの方に写真を撮ってもらいながらゆっくり走る。
そういえば、以前メンターが繰り返し次のように教えてくれました。
「自分に集中すると人は弱い。他人に集中すると人は強い。」
思わず自分は自分の痛みに集中してしまうところでした。そうではなくて、ボランティアの人たちへの感謝と、一緒に走ってくれているランナーへの応援に集中することにしました。
スタートから13時間。あたりは真っ暗となり、いただいたペンライトを片手に持って進みます。そしてゴールまであと500m。沿道から「お帰りなさい。」「ゴールまでもう少し!」「よく頑張ったね!」とたくさんの人が応援をしてくれます。
このときばかりは、時間が止まった感覚でした。
「あなたたちの応援が力でした。見ず知らずの私たちをずっと励ましてくれてありがとうございました。」ここまで声にしてお礼を言いましたが、あとは涙で声が出せませんでした。
予定より1時間34分も遅いゴール。しかし、達成感で一杯でした。
人は一人の力では生きていないことを身をもって知りました。私たちは見えないところで多くの人に支えられて生きているのですね。
1800名のランナーよりはるかに多いボランティアスタッフ、一緒に走ってくれたランナー、沿道から応援してくれた多くの人達、暑い中車いすで応援してくれたおじいちゃんおばあちゃん、あなたたちのおかげで完走でしました。ありがとう。
この場を借りてすべての人にお礼を申しあげます。