先輩のA先生からいただいた本は「歯科医院地域一番実践プロジェクト」(岩淵龍正著、デンタルダイヤモンド社)という本でした。今では歯科医師の間で、通称「赤本」と呼ばれています。
最初は「コンサルタントが書いた経営の本か。あまり興味ないな。」と思ったのですが、何気なく読み始めたところ、びっくりしました。そして、一気に引き込まれていきました。
私がびっくりした理由は、物語の主人公Y先生が、あまりにも自分にそっくりだったからです。「これって僕じゃん!」って感じでした。それはどんなところかといえば…
1.いつもいらいらしていて、スタッフを怒ってばかりいる
2.自分はよく頑張っているのに、スタッフはやるべき努力をしていない、と思っている
3.自分は歯科医師として最善の治療をすることだけしてればいい、と考えていて、医院経営やスタッフのモチベーションを高めるマネジメントには興味が無い
そして主人公Y先生の歯科医院は、近くに新しい歯科医院が開業し、患者様がどんどん減っていきます。この部分は読んでいて、まるで明日わが身に起こることのように感じました。
主人公Y先生は、先輩のK先生に相談、アドバイスをもらい、必死に努力して無事、スタッフとの信頼関係を構築し、ワクワク楽しい歯科医院創りに成功する、という話です。
Y先生が成功するプロセスでは、スタッフの力をこれまで以上に発揮させ、スタッフを認め、やる気を高める場面場面でコーチングがフルに活用されていました。
この本を読んで、コーチングを歯科医院にどうやって活かすのか?という疑問は一気に解決しました。赤本を贈っていただいたA先生、本当にありがとうございました。
しかしそれは同時に、茨の道への入り口でもあったのです。
赤本で心に響いた言葉
「院長が歯科医師の仕事だけをしていれば、その医院はいずれ衰退する。」
「今の状態を改善するためには、他人や環境を変えるのではなく、先に自分自身が変わらなければならない。」
がーーん!!一体、どうすればいいのだろう?私の頭は混乱し、また新たな課題に直面したのでした。