第11話 第3ステージその1 「ほめる、承認する」

コーチをつけて3か月ほどが経ちました。この頃、少しずつセッションの効果を感じるようになりました。
コーチをつけるまでは、自分はどうなりたいのか?が漠然としていました。コーチをつけてからは、コーチと話すことでなりたい自分がはっきり見えるようになり、なりたい自分になることができるようになってきました。週1回のセッションも楽しみになりました。

自分はコントローラーというタイプです。コントローラーは、他人にほめられることを好みません。「ほめることで他人が自分をコントロールするのではと警戒してしまう。」ことが理由です。
では、コントローラーのリーダーは、どのようにスタッフに接するべきなのでしょうか?スタッフは(正確にはコントローラー以外のタイプのスタッフは)、もっと認められ、ほめられたいのですから、スタッフを自分が思っているより10倍ほめることが大切です。

さて、ようやく怒らない自分になれたので、次にスタッフをほめることができる自分になりたいと考えました。コントローラーの自分は、他人をほめることが苦手で、これまでスタッフをほめたことは全くといっていいほどありませんでした。

そこでスタッフが仕事をできた時、自分はどう感じたかを伝えることでほめることにしました。ほめることでスタッフはモチベーションが高まり、成長するという作戦もありました。

私はスタッフのKさんに「もう少し来院される方の話を聴いて欲しいなあ。」と思っていました。以前の自分なら「なぜ話が聴けないの?もっと聴かないとダメだよ!」と怒っていたかもしれませんが、コーチングを学んだ今は「みんなできる人だ」がベースです。そこで、「Kさんが話を聴けるようになるために自分は何ができるのだろう?」と考えました。そして「Kさんが来院される方の話が聴けていたら、そのことをほめよう。」と決めました。

さっそく実行です。「今日、○○さんの話をよく聴けていたと僕は感じたよ。」「○○さんが喜んで帰られて僕はうれしかったよ。」などと、Kさんの仕事振りを折に触れIメッセージでほめてみました。
(Iメッセージとはコーチングの「承認」のスキルの一つで、私はこう思った、感じたと自分を主語として気持ちを伝えることです。Iメッセージは相手が受け取りやすく、承認につながります。)

でも彼女の反応は…「えーそうですか?」と、つれない感じです。そう、彼女もコントローラーだったのです!ほめらてもうれしく感じていないのです。作戦失敗。
「どうしたらいいのだろう?」私はまた新たな課題に悩むことになりました。

第10話 第2ステージその3 気づきが起きる


上:今回の参考図書 「熱いビジネスチームをつくる4つのタイプ」鈴木義幸著 ディスカヴァー

コーチはさらに続けます。「宮園さんは自分の思い通りにならないとイライラするみたいだけど、世の中全て自分の思い通りになる?」

「うーん。世の中は思い通りにはならないですよね。だとしたら、周りが自分の思い通りにならないからイライラするのもおかしいですね。」

「そうだよね。ところで、宮園さんは今日はどんなことでイライラしたの?」

「大切なKさんの治療中に急患さんが来られたんですよ。しかもKさんの治療に必要な器具も準備されてなくて、取りにいったらいつも保管してあるところになかったんですよ。器具はないし、急患さんのためKさんを治療できなくなったので、イライラしたんですよ。」

「なるほど。では、今日何ができれば気持ちよかったのかな?」

「Kさんの治療ができれば気持ちよかったと思います。」

「では今日の状況で、イライラする代わりに何かできることはあった?」

「急患さんには昼休みに診せていただいてもいいですか?と言えたかもしれません。そうしたらKさんの治療ができて気持ちよかったと思います。器具は自分で探しに行かずスタッフに頼めば、、、あ、そうか、イライラする道と、気持ちよくなる道があって、自分で好きなほうを選択できるのですね。」

「そういうこと。イライラするも、気持ちよくなるも、自分で選択できることに気づいたね。」

このセッション以来、自分の中で何かが変わりました。イライラしそうな時に、「何ができるかな?」と考え、気持ちよくなる道を選ぶことができるようになりました。たまにはそのため、院長室に閉じこもることもありますが、、、

また、コーチングではコニュニケーションスタイルによって人を4つのタイプに分けます。そのタイプ分けで自分がコントローラー(人も場も支配しようとする。自分の思い通りに物事をすることを好む。)であることに気がついたことも役立ちました。「そうか、自分は何事も思い通りにしたいコントローラータイプだ!でも周りの人は違うタイプだから、気をつけないと。」

このタイプ分けはかなり面白いので今後またご紹介します。
こうして、少しずつですが、「感情のコントロールができる」ようになりました。

第9話 第2ステージその2 失敗の日々 

早速、どのような時に自分はイライラするのか振り返ってみました。すると、
1.忙しすぎて一杯いっぱいの時
2.自分が「こうして欲しい」と期待したことをスタッフがしてくれない時
にイライラすることに気がつきました。
ということは、この2つの状況を避けることができればイライラしなくなるはずです!

そこで私は、
1.受付に予約を制限するようにお願いし、
2.スタッフには、「これとこれをしてください。」と、自分が望むことをはっきりと伝えることにしました。
それでもなお、スタッフが期待外れのことをしたとします。例えば、右に行って欲しかったのに左に行ってしまった。これまでの自分だったら「どうして右に行くんだよ!」と怒るところです。その時は「今右に行った方がよくない?」と提案することで対応することに決めました。完璧な計画です。

早速私は計画を実行し始めました。

ところが、全然思い通りにはいきません。
当然、突然来院される方もいらっしゃいますし、「これとこれをしてください。」といちいちスタッフに細かく指示をすることで自分は疲れていきました。その上スタッフは自発的に動けなくなり、自分の指示をひたすら待つようになってしまっていました。
「こんなはずでは無い!」第2ステージの計画を開始して約2ヶ月、私は相変わらず毎日イライラしていました。

そんな時、セッションでコーチに言われました。
「ところで、いつまでイライラし続けるの?それって、自分で選択しているんだよ。」
「えー!?イライラする状況は自分が選んでいるんですか?」
そう、被害者だと思っていた自分が実は加害者だったのです。「周りのせいでイライラさせられた」のではなく「自分がイライラを選んでいた」のです。

「お客様の感動を設計するハッピーエンドのつくり方」平野秀典著

私達にとって「顧客満足」は毎日の目標です。来院される方が満足していただけるように日々頑張っています。ところが、この本によると演劇の世界の目的は「満足」ではなく、満足を超えたところの「感動」を生み出すことだと述べています。うーん素晴らしい。例えて言うなら「この歯科医院に来てよかった。」ではなく「こんな素晴らしい歯科医院があるなんて!」と驚きを持って思っていただけるような世界。まさに「カシータ」みたいですね。なごみ歯科医院もそんな幸せ一杯の歯科医院を目指して頑張りたいと思います。

第8話 第2ステージその1 「感情をコントロールし、怒らない自分になる」

さて、メッセージを伝え続けて約1か月が経ちました。スタッフには、「院長がなんだか変わろうとしているらしい。」という感じがなんとなく伝わったようですが、自分が期待していた大きな変化は起きませんでした。それもそのはずで、一番大きな問題が未解決だったからです。それは自分がいつもイライラしていることでした。

そこで、「感情をコントロールし、怒らない自分になる。」ことに取り掛かりました。

ところで「怒らないこと」はどうして大切なのでしょう?

まず赤本にも書いてありますが、怒ることはスタッフにとって「あなたを認めていない」と拒否することなので、信頼関係の崩壊につながります。怒られたスタッフは、仕事へのモチベーションも失います。「辞めたい。」と思うかもしれません。大切な人財を失わないためにも、院長が怒らないことは大切です。
また、自分は怒るたびに、マイナスの感情を溜め込んでしまい、前向きのエネルギーを失っていました。「どうして周りは自分の思うようにしてくれないんだ!」と思っていては、来院される方の幸せのサポートはできません。自分で自分をパワーレスにしているだけなのですから。
なごみ歯科医院が目指す幸せな医院を作るには、まず院長である自分が輝き、幸せなオーラを周りに発信することで、スタッフが輝き、幸せになる、そして来院される方が幸せになり輝く、という連鎖反応が必要なのです。
自分自身のエネルギーを高め、医院の雰囲気を明るくするためにも、自分が怒らないこと、活き活きと輝いていることが大切なのです。

では「怒らないようにしよう。」とか、「感情をコントロールしよう。」と思って、すぐにできるようになるのでしょうか?私の場合はそうではありませんでした。「怒るな。」「感情をコントロールしろ。」というのは勤務医時代も勤務先の院長先生から言われていたことです。でも、これまではできなかったのです。

そこで、コーチに自分はよくイライラすることや、怒らない自分になりたいことを相談してみました。
すると「自分の気持ちをきれいな器に入れ替えようよ。今の器だとエネルギーが漏れているからもったいないよ。」と提案されました。この言葉で、「怒らない」ことが急にヴィジュアル化され、楽しそうなこと、できそうなことに思えてきました。

「まずは、どういうときにイライラしたのか覚えておいて。するとイライラする前に予測して避けることができるから。」という提案もしていただきました。
「なるほどー。イライラするのは結果だから、原因を避ければいいのですね!それならできそうです!」
「ついに、自分は変わるのだっ!」私は大きな意気込みで、「感情をコントロールする」課題に取り組み始めました。