コーチング日記

第16話 第4ステージその3 ミーティング第1回より

under コーチング日記 at 2006-4-8

「こんにちは。コーチの小林と申します。コーチって、聞きなれないかもしれないけれども、スポーツのコーチと同じで、医院としてやりたいことをサポートすることがコーチの役割です。今日はミーティングの進行役を務めさせていただきます。」

こうして小林さんをファシリテーターに迎え、よりよい医院を作るためのミーティング第一回が始まりました。
自分はこれまで「ミーティング」そのものに、「時間の無駄」「かったるい」「面倒くさい」というマイナスイメージを持っていたため、「本当にみんなから意見が出るのだろうか?」と半信半疑でした。

「今日なぜ小林さんに来てもらったかというと、院長がミーティングを仕切るとみんなは言いたいことが言えなくなる、このことを心配したからです。院長が自分の意見を押し付けるのではなく、みんなで意見を出し合って、来ていただく方が健康で幸せになる歯科医院、メンバーが活き活きと働け、輝ける歯科医院になるようなミーティングにしていきたいと思います。」
私はミーティングの始まりでこう伝えた後、ミーティングの一参加者となりました。

最初にミーティングのルールを確認することになりました。
1.この場では誰のどんな意見も否定しないで受け入れよう
2.誰もが自分の考えを出し合おう
3.自分を責めることも相手を責めることもなしにしよう
4.自分達が今できることを考えていこう

小林さんにこのようにルールを決めていただいたことで、場がこれまでのミーティングとは違い暖かな雰囲気に包まれたことを感じました。

次に自己紹介です。自分の名前、仕事の内容、自分の強み、隣にいる人の強みを順に言うことになりました。例えばこんな感じです。
「宮園香樹です。なごみ歯科医院の院長をしています。自分の強みは、絶対に妥協をせず、目標のために努力することです。私の隣、古賀涼子さんの強みは、仕事に対する責任感が強く、来院される方から信頼されていることです。」

順々に自己紹介を行なうにつれ、場の雰囲気がどんどん柔らかくなっていきます。
後で知ったのですが、この自己紹介のような方法を「アイスブレイク」というそうです。本題に入る前に、ちょっと頭を回転させて言葉を発してもらう。そのことで場があったまり、次の本題にスムーズに移ることができるのです。うーんなるほど。普段、来院される方や友人とのコミュニケーションにも役立ちそうですね。

自己紹介でみんなの緊張がほぐれたところで、本題に移りました。

「いつものまとまらないミーティングとは雰囲気が明らかに違う。もしかして、うまくいくかも。」私はこれまでのミーティングでは感じたことが無いワクワクした気持ちになりました。

第15話 第4ステージその2 ミーティングでコーチングを活かす

under コーチング日記 at 2006-3-25


上:今回の参考図書 「仕事上手になるコミュニケーション術」 こがひろのり著 はまの出版

「帰りが遅いことが原因でスタッフが辞めていくんです。」と相談したときのコーチの反応は、いたって普通でした。

「ミーティングしてみる?」「ミーティングで課題を出し合って一つ一つ解決していこうよ。」

ミーティング…正直、この言葉にあまりいい印象はありませんでした。私は以前、ミーティングをよく行なう医院に勤めていましたが、つまらなく感じることがほとんどでしたし、なによりミーティングをすることで帰りが遅くなることが嫌でした。

確かに「伸びている医院ほどミーティングを重要視している」と赤本にもあります。ミーティングによって医院が活性化することを夢見て、自分でも何度かミーティングを開いたことがあったのですが、スタッフから意見が出ないため止めてしまっていました。

「ミーティングって、いい印象無いんですよね。以前していたのですが、自分ばっかりしゃべっていてスタッフからは意見が出ないので、こんなことするよりは患者さんを診た方がいいと思って止めたんです。スタッフも何だか嫌々参加している感じでした。」

「それって、自由な意見を出しにくい雰囲気でしてなかった?例えば、スタッフが何か発言したら院長がすぐ「それは無理だよ。」と否定したり。そういう雰囲気だと意見が出ないよね。そうではなくて、みんなで問題を出し合って解決していくミーティングは大切だと思うよ。」

グサッ!まさにこれまでは意見を出しにくいミーティングをしていました!そして、スタッフから意見が出ないからイライラしてますます雰囲気が悪くなり、その挙句ミーティングは無意味だと思っていたのでした。以前のミーティングが機能しなかったのも、自分が原因だったのです。

「わかりました。医院の問題を解決したり、よりよい医院を作るためのミーティングをしたいと思います。ではどうすればそんなミーティングができるのでしょうか?」

「院長が仕切るとミーティングを院長のやりたい方向に引っ張るから、スタッフは意見が出しにくいよね。院長も参加者になるといいかもよ。私がミーティングのファシリテーター(注)をするので、院長も一人のスタッフとして参加してみてよ。スタッフが自分の考えと違うことを発言しても、本音を言ってくれたんだって受け止めようね。」

「わかりました。お願いします。」

こうして、医院の課題を解決し、医院をよりよく改革するためのミーティングを、月に1度開くことにしました。うまくいくのかな?私はみんなが建設的な意見を出し合うようなミーティングを夢見ていたものの、正直半信半疑でした。
(注:ファシリテーター:[facilitator 世話人][facilitate 促進する、手助けする]の派生語。上の文章中では「会議の進行役」という意味で使っています。)

第14話 第4ステージ 「活き活き輝く環境作り」その1

under コーチング日記 at 2006-3-18

「先生、お話があるのですが…」新人のKさんからこう切り出されたのは、彼女を採用してまだ1か月にもならないころでした。
メンバーからこの言葉を言われるとたいてい嫌な予感がするものです。

「どうしたの?」なるべく平静を装って尋ねますが、内心穏やかではありません。

「今の仕事は、帰りが遅すぎます。家族にも迷惑が掛かります。辞めさせていただきます。」

確かにその当時(今もあまり変わりはないですが)、終業が遅く、終礼の時刻が20時くらいになっていました。
メンバーの帰宅が遅いことにずっと私は胸を痛めていたため、「今日は早く帰れるよう頑張ろうね。」「夕方に受けるご予約の数を調整しようね。」と毎日言うのですが状況は全く変わりませんでした。

Kさんがわずか1月で退社し、新人のMさんが入社してきました。明るくて前向きな素敵な女性です。「彼女には末永く働いて欲しい…そのために、彼女を含めみんなが早く帰ることができる環境を作らねばならない…」思いと裏腹に、またも帰りが遅い日が続きました。

何とかしなければ…そう思いながらも有効打を打つことはできないまま1月が経ちました。
「先生、お話があるのですが…」Mさんから話を切り出された時、次の言葉は聞かなくても明らかでした。
「帰りが遅すぎます。こんな職場とは思っていませんでした。辞めてもいいでしょうか?」

こうしてかけがえの無い2人のメンバーを失い、「メンバーが早く帰ることができる環境を作りたい。」という思いをますます強くしました。でも、どうしたらいいのだろう?何を変えればいいのだろう?悩んだものの解決は見つかりませんでした。

「みんなに早く帰って欲しいんですけど、うまくいかないんです。」私は思い余ってコーチに相談していました。

第13話 第3ステージその3 人が輝く言葉とは

under コーチング日記 at 2006-2-11

どうしたらKさんを含めスタッフがもっと輝くのだろう?
Kさんに対しては「ほめる」はうまくいかなかったけど、「感謝する」はうまくいった。では、「承認する」をしてみたらどうだろう?

ところで、「承認する」ってどういうことなのだろう?
早速セッションでコーチに相談しました。

「「承認する」って、どうしたらいいのでしょう?」

「「承認する」(認める)は、コーチングで伝えるときのスキルの一つだよね。では何をどのように認めるの?」

「それが分からないんです。「私はあなたを認めてます!」って言うのでしょうか??」

「成果や事実、存在、感じていることなんかをそのまま伝えてみたらどうなる?」

「「患者さんがとても喜んでいたよ。」とか、「とてもきれいに充填できたね。」とかでしょうか?」

「そうだよね。ではそれに自分の思いを Iメッセージで加えたらどうなる?」

「「患者さんがとても喜んでいたよ。ありがとう。」とか、「とてもきれいに充填できたね。うれしいよ。」とかですね。」

「そうだね。今言った言葉って、受け取りやすい?受け取りにくい?自分が言われたらどう感じる?」

「ほめ言葉と違ってすごく受け取りやすいです。それに、もっと頑張ろう、と感じると思います。」

「それが認めるということだよね。ほめるのではなくて、事実や感情を伝える。認められた側は、役に立っているんだなあ、とか、より一層頑張ろう、と感じるよね。それが認めるというスキルの目的です。」

「なるほどー。「事実+感情=認める」と理解しますね!認められたらモチベーションが上がりますね!」

「そうだね。これって患者様に対してもできると思うけど、どう?」

「「きれいに磨けていますね。感心しました。」とか、子供だったら「泣かないで頑張っているんだね。うれしいよ。」とかいろいろできそうです。そうか!これまでは子供に対して「すごいねー。」「上手だねー。」ってほめていたけれど、ほめると認めるってこうして考えると違いますね。」

「そう。コーチングでは実はほめないんです。その代わりに、日頃からの存在承認、祝福、成功要因の確認、ということをします。」 

こうして「承認する」ことが理解でき、実践できるようになったのでした。
これまでは、「どうしてできないんだ!」と怒ってばかりだった自分のコミュニケーションがどんどん変わっていきました。

しかし、その頃医院では、別の大きな課題が持ち上がっていたのでした。

第12話 第3ステージその2 ついに「何か」が見えてきた!

under コーチング日記 at 2006-2-2

「Kさんをほめることで、話を聴ける人になってもらう作戦」は最初からつまづいてしまいました。ほめることが下手な自分としては思い切ってほめてみたのですが、Kさんには伝わらなかったようです。

そこで「うまくいく別の方法はないかな?」と探してみました。

「そうか、Kさんはコントローラーなので、ほめるより感謝がいいかもしれない。」
今度は口癖のように感謝を伝えることにしました。朝礼や終礼時、診療中、診療後一人きりの時など、いろいろな状況で「ありがとう。」「おかげで助かっているよ。」と伝えてみました。

するとどうだったでしょう。Kさんはうれしそうで笑顔で返してくれます。ようやく、自分の気持ちが伝わったようです。

このことから「Kさんはほめ言葉よりも感謝の言葉が伝わるようだ。コントローラーは一対一の場面で承認しろと言われるけど、Kさんはみんなの前で「ありがとう」と言っても伝わるようだ。」ということが分かりました。

このときに次のことに気がつきました。

Kさんに対して、自分のコニュニケーション方法を変えることができたのでは?
これまでは自分が言いたいことだけ言ってきたけれども、今は相手に合わせ、相手が受け取りやすい言葉を投げることができるようになった。
Kさんにしたように、相手それぞれに対して自分を変えてゆくこと、これこそが赤本の「まず院長が変わらなければならない」ということではないか?

この時、ついに自分が変わったことを認識できました。
「コーチングって相手の受け取りやすいボールを投げ続けることなのだ。」「ついに、自分は変わったのだっ!」私は嬉しい気持ちでいっぱいでした。

ところが、周りから見れば私は一日中Kさんに「ありがとう。」「ありがとう。」と言いまくっているだけです。
うーん。もう少し彼女が活き活き輝くようなアプローチはないかな?

もう一歩「承認」ができないだろうか?
これまでの自分では考えもしなかった課題が見えてきました。

第11話 第3ステージその1 「ほめる、承認する」

under コーチング日記 at 2006-1-28

コーチをつけて3か月ほどが経ちました。この頃、少しずつセッションの効果を感じるようになりました。
コーチをつけるまでは、自分はどうなりたいのか?が漠然としていました。コーチをつけてからは、コーチと話すことでなりたい自分がはっきり見えるようになり、なりたい自分になることができるようになってきました。週1回のセッションも楽しみになりました。

自分はコントローラーというタイプです。コントローラーは、他人にほめられることを好みません。「ほめることで他人が自分をコントロールするのではと警戒してしまう。」ことが理由です。
では、コントローラーのリーダーは、どのようにスタッフに接するべきなのでしょうか?スタッフは(正確にはコントローラー以外のタイプのスタッフは)、もっと認められ、ほめられたいのですから、スタッフを自分が思っているより10倍ほめることが大切です。

さて、ようやく怒らない自分になれたので、次にスタッフをほめることができる自分になりたいと考えました。コントローラーの自分は、他人をほめることが苦手で、これまでスタッフをほめたことは全くといっていいほどありませんでした。

そこでスタッフが仕事をできた時、自分はどう感じたかを伝えることでほめることにしました。ほめることでスタッフはモチベーションが高まり、成長するという作戦もありました。

私はスタッフのKさんに「もう少し来院される方の話を聴いて欲しいなあ。」と思っていました。以前の自分なら「なぜ話が聴けないの?もっと聴かないとダメだよ!」と怒っていたかもしれませんが、コーチングを学んだ今は「みんなできる人だ」がベースです。そこで、「Kさんが話を聴けるようになるために自分は何ができるのだろう?」と考えました。そして「Kさんが来院される方の話が聴けていたら、そのことをほめよう。」と決めました。

さっそく実行です。「今日、○○さんの話をよく聴けていたと僕は感じたよ。」「○○さんが喜んで帰られて僕はうれしかったよ。」などと、Kさんの仕事振りを折に触れIメッセージでほめてみました。
(Iメッセージとはコーチングの「承認」のスキルの一つで、私はこう思った、感じたと自分を主語として気持ちを伝えることです。Iメッセージは相手が受け取りやすく、承認につながります。)

でも彼女の反応は…「えーそうですか?」と、つれない感じです。そう、彼女もコントローラーだったのです!ほめらてもうれしく感じていないのです。作戦失敗。
「どうしたらいいのだろう?」私はまた新たな課題に悩むことになりました。

第10話 第2ステージその3 気づきが起きる

under コーチング日記 at 2006-1-21


上:今回の参考図書 「熱いビジネスチームをつくる4つのタイプ」鈴木義幸著 ディスカヴァー

コーチはさらに続けます。「宮園さんは自分の思い通りにならないとイライラするみたいだけど、世の中全て自分の思い通りになる?」

「うーん。世の中は思い通りにはならないですよね。だとしたら、周りが自分の思い通りにならないからイライラするのもおかしいですね。」

「そうだよね。ところで、宮園さんは今日はどんなことでイライラしたの?」

「大切なKさんの治療中に急患さんが来られたんですよ。しかもKさんの治療に必要な器具も準備されてなくて、取りにいったらいつも保管してあるところになかったんですよ。器具はないし、急患さんのためKさんを治療できなくなったので、イライラしたんですよ。」

「なるほど。では、今日何ができれば気持ちよかったのかな?」

「Kさんの治療ができれば気持ちよかったと思います。」

「では今日の状況で、イライラする代わりに何かできることはあった?」

「急患さんには昼休みに診せていただいてもいいですか?と言えたかもしれません。そうしたらKさんの治療ができて気持ちよかったと思います。器具は自分で探しに行かずスタッフに頼めば、、、あ、そうか、イライラする道と、気持ちよくなる道があって、自分で好きなほうを選択できるのですね。」

「そういうこと。イライラするも、気持ちよくなるも、自分で選択できることに気づいたね。」

このセッション以来、自分の中で何かが変わりました。イライラしそうな時に、「何ができるかな?」と考え、気持ちよくなる道を選ぶことができるようになりました。たまにはそのため、院長室に閉じこもることもありますが、、、

また、コーチングではコニュニケーションスタイルによって人を4つのタイプに分けます。そのタイプ分けで自分がコントローラー(人も場も支配しようとする。自分の思い通りに物事をすることを好む。)であることに気がついたことも役立ちました。「そうか、自分は何事も思い通りにしたいコントローラータイプだ!でも周りの人は違うタイプだから、気をつけないと。」

このタイプ分けはかなり面白いので今後またご紹介します。
こうして、少しずつですが、「感情のコントロールができる」ようになりました。

第9話 第2ステージその2 失敗の日々

under コーチング日記 at 2006-1-14

早速、どのような時に自分はイライラするのか振り返ってみました。すると、
1.忙しすぎて一杯いっぱいの時
2.自分が「こうして欲しい」と期待したことをスタッフがしてくれない時
にイライラすることに気がつきました。
ということは、この2つの状況を避けることができればイライラしなくなるはずです!

そこで私は、
1.受付に予約を制限するようにお願いし、
2.スタッフには、「これとこれをしてください。」と、自分が望むことをはっきりと伝えることにしました。
それでもなお、スタッフが期待外れのことをしたとします。例えば、右に行って欲しかったのに左に行ってしまった。これまでの自分だったら「どうして右に行くんだよ!」と怒るところです。その時は「今右に行った方がよくない?」と提案することで対応することに決めました。完璧な計画です。

早速私は計画を実行し始めました。

ところが、全然思い通りにはいきません。
当然、突然来院される方もいらっしゃいますし、「これとこれをしてください。」といちいちスタッフに細かく指示をすることで自分は疲れていきました。その上スタッフは自発的に動けなくなり、自分の指示をひたすら待つようになってしまっていました。
「こんなはずでは無い!」第2ステージの計画を開始して約2ヶ月、私は相変わらず毎日イライラしていました。

そんな時、セッションでコーチに言われました。
「ところで、いつまでイライラし続けるの?それって、自分で選択しているんだよ。」
「えー!?イライラする状況は自分が選んでいるんですか?」
そう、被害者だと思っていた自分が実は加害者だったのです。「周りのせいでイライラさせられた」のではなく「自分がイライラを選んでいた」のです。

第8話 第2ステージその1 「感情をコントロールし、怒らない自分になる」

under コーチング日記 at 2006-1-10

さて、メッセージを伝え続けて約1か月が経ちました。スタッフには、「院長がなんだか変わろうとしているらしい。」という感じがなんとなく伝わったようですが、自分が期待していた大きな変化は起きませんでした。それもそのはずで、一番大きな問題が未解決だったからです。それは自分がいつもイライラしていることでした。

そこで、「感情をコントロールし、怒らない自分になる。」ことに取り掛かりました。

ところで「怒らないこと」はどうして大切なのでしょう?

まず赤本にも書いてありますが、怒ることはスタッフにとって「あなたを認めていない」と拒否することなので、信頼関係の崩壊につながります。怒られたスタッフは、仕事へのモチベーションも失います。「辞めたい。」と思うかもしれません。大切な人財を失わないためにも、院長が怒らないことは大切です。
また、自分は怒るたびに、マイナスの感情を溜め込んでしまい、前向きのエネルギーを失っていました。「どうして周りは自分の思うようにしてくれないんだ!」と思っていては、来院される方の幸せのサポートはできません。自分で自分をパワーレスにしているだけなのですから。
なごみ歯科医院が目指す幸せな医院を作るには、まず院長である自分が輝き、幸せなオーラを周りに発信することで、スタッフが輝き、幸せになる、そして来院される方が幸せになり輝く、という連鎖反応が必要なのです。
自分自身のエネルギーを高め、医院の雰囲気を明るくするためにも、自分が怒らないこと、活き活きと輝いていることが大切なのです。

では「怒らないようにしよう。」とか、「感情をコントロールしよう。」と思って、すぐにできるようになるのでしょうか?私の場合はそうではありませんでした。「怒るな。」「感情をコントロールしろ。」というのは勤務医時代も勤務先の院長先生から言われていたことです。でも、これまではできなかったのです。

そこで、コーチに自分はよくイライラすることや、怒らない自分になりたいことを相談してみました。
すると「自分の気持ちをきれいな器に入れ替えようよ。今の器だとエネルギーが漏れているからもったいないよ。」と提案されました。この言葉で、「怒らない」ことが急にヴィジュアル化され、楽しそうなこと、できそうなことに思えてきました。

「まずは、どういうときにイライラしたのか覚えておいて。するとイライラする前に予測して避けることができるから。」という提案もしていただきました。
「なるほどー。イライラするのは結果だから、原因を避ければいいのですね!それならできそうです!」
「ついに、自分は変わるのだっ!」私は大きな意気込みで、「感情をコントロールする」課題に取り組み始めました。

第7話 第1ステージ「まず、自分が変わる」

under コーチング日記 at 2006-1-6

小林さんにコーチングを受けて、私はまずスタッフに「自分は今から変わります!」というメッセージを伝えることにしました。伝えるために何をするのか?について、次の3つを実行することを決めました。

1.毎朝、スタッフと同じ時間に医院に行く
2.自分から元気よく「おはよう!」とあいさつをする
3.スタッフに何かをしてもらったら、「ありがとう」と心を込めて感謝する

なんだか小学生の目標みたいな内容ですが、ちなみにそれまではどうだったかというと…
1.毎朝朝礼ぎりぎりに医院に行っていた
2.朝は機嫌が悪く、自分からはあいさつをしなかった
3.何かをしてもらうことは仕事なので当然だと思って、感謝したことなどなかった
という状態でした。今から思えばこれはひどい。

毎朝これまでより30分早起きすることになりましたが、小林さんにメールでサポートしていただき、(ありがとうございました。もちろん今は大丈夫です。)継続しました。スタッフと同じ時間に医院に行くことは、コーチングの言葉で言えば、「ペーシング」をしたことになります。
(ペーシングとは、コーチングの基本的なスキルのひとつです。具体的には声の調子を合わせたり、うなずいたりして相手に合わせることで、話し相手が、そしてお互いが安心してコニュニケーションできる環境を作り出すことです。)
まず1か月間、この3つを継続することで「医院のために自分は変わります。」というメッセージを伝え続けてみました。

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